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炎雷落ちるその日まで / 鬼滅の刃

第8章 炎の息吹が開く時 +



目当ての人物はまだ到着しないようだ。本部の広いお庭を散歩してみたり、大きな池で泳ぐ魚を見てみたり、東屋に座ってみたり。


……要は暇を持て余している。

そろそろかなあ?東屋に座ってこの日何回したかわからないため息をついた時。

「む!!何故誰もいない??」

バサバサバサ……と木に止まっていた鳥達が一斉に飛び上がる程の大きな大きな声が庭中に響いた。
私もあまりの声の大きさに心臓が跳ね上がる。びっくりした…


「煉獄さん!」
東屋を飛び出して、彼に駆け寄った。

「よもや……沢渡少女か?何故君がここにいる?」
ん?なんか目線合わない気がする……どこを見てるんだろう?

ちょっと気になったけど、それよりも大事な事を話さないといけなかったのでそこは置いておいて、話を続けた。


「あの!煉獄さん、お手紙って読まれましたか?」
「手紙?」
煉獄さんは「何の事だ?」と言わんばかりに首を傾げる。


あれ?私ちゃんと小町にお願いしたはずだけど……予想外の答えが返って来て、私も困惑した。


「ああ」
どうやら、思い出したようだ。

「これなら届いたぞ」……そう言いながら、胸元の衣嚢(いのう=ポケット)から取り出した物を私に渡してくれる。


おかしい。紙の色が違う。
4つに折り畳まれているそれをゆっくり開いてみると、私は目の前に飛び込んで来たものに驚きを隠せなかった。






















「え?四谷怪談??」

それはおどろおどろしいお岩さんの絵が書いてある落語のチラシだった。



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