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炎雷落ちるその日まで / 鬼滅の刃

第45章 ヒノカミのち、蝶屋敷 +


「ただいま帰りましたー……」

玄関から声を掛けるけど、誰も出て来ない。どうやらみんな出掛けている様子。

この広い家に1人は寂しいな。
そんな思いを抱え、草履を脱いで脱刀をした後は自分の部屋に向かう。


「よし」

今朝の炭治郎、そして蝶屋敷でのカナヲとの手合わせで気づいた事と改良点を記録帳に書き記して、パタンと閉じる。
すると、襖の外から自分を呼ぶ声。

はい、と応対して襖を開ける。

「ただいま、七瀬!早かったのだな!」

スパン ———
私は目の前の襖をすぐに閉めた。

構わずにスッ……と襖が開けられる。どうした?と顔に疑問符をたくさん浮かべて聞いてくる杏寿郎さんに私は背中を向けた。

「……しのぶさんに見られました。昨日の……赤い…」

一瞬だけ2人の間に流れる沈黙。

「そうか」

後ろでフッと笑った恋人はその言葉に動揺する事なく、ぎゅっと抱きしめてくれる。けれど、私はスルリと抜け出す。

「もう……身体中の血液が沸騰するんじゃないかってぐらい、恥ずかしかったんですよ」

右掌で彼の胸をパン、と軽く叩けば上から大きな左手がそっと重なった。

「杏寿郎さん、ダメですよ、そう言う事しても」

困ったな…と言う言葉と一緒に、今度は左頬を優しく包まれる。

「どうしたら君の機嫌が直る?」

「そうですね……」


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