第44章 継子達の恋、満開
「所で、その爪紅はどうしたの?すっごく可愛いし、よく似合っているよ」
改めてじいっと見てみれば、女の子らしくかわいい爪にカナヲそのもの、と言った桃色の彩りがきらきらと輝いていた。
「……ありがとう。炭治郎がね、私の手は綺麗だって言ってくれて。それと七瀬ちゃんが前、こうして爪紅塗ってるのを見て良いなあって思ってたの」
炭治郎…よく言った!私は心の中で彼に拍手を贈る。
「今日はそう言えば塗ってないんだね」
「うん……前までは塗っていたんだけどさ」
『緋色も橙色も…何色でも、君の爪紅は俺だけが独占したい』
そう杏寿郎さんに言われたんだ…と彼女に伝えると、ぽうっと顔を赤くした。
「炎柱様って、独占欲結構強いんだね。意外……」
「うん、私もそれ1番びっくりした部分。でも炭治郎もじゃない?」
「…………そうかも」
カナヲはまた頬を少し赤くして答える。
「私、杏寿郎さんと炭治郎って凄く似てるなあって前から思ってたんだ。2人とも長男だし、責任感強いし」
“好きな子の前では意地悪……”
これは少しだけ小声でカナヲに言ってみると、彼女はやや間をあけて、うん……と小さく頷いた。