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炎雷落ちるその日まで / 鬼滅の刃

第43章 ★ 獅子なる星が降る夜に〜彼目線〜 ★ ✳︎✳︎



「そうか」
「やっ、それはダメです……」

俺は彼女の背中に唇をそっと近づけた。頬や胸と同じく、滑らかで触り心地が良い肌。
右上から辿るようにゆっくりと小さな雨を数滴ずつ落として行く。

そうして左下まで辿りつくと、最後に落とした雫を掬い上げるように、音を出して吸い上げた。


「では、この傷も俺だけのものだな」
「ん、ぁ……」
「またかわいい声を出してくれる。顔が見れないのが残念だ」


今度は左下から右上にかけて、優しい雨を数滴ずつ落としていく。
真ん中にたどりついた俺はここで一度口付けを止める。


「七瀬は誰にも渡さない」


最大限の独占欲を出した言葉を発した後、右上に向かって一つ一つキツめの口付けを落として行った。

彼女の背中を改めて見る。自分が丁寧に水やりをして咲かせた赤い花。それらが輝くように、綺麗に咲いていた。


「傷の近くに君が俺のものだと言うしるしをつけた」
「え?」

七瀬が息も絶え絶えにしながらこちらに振り向くと、とてもかわいい顔をしていた。

「君と俺だけの秘密、と言いたい所だが。胡蝶には見られるかもな」
「もう……本当にいじわる……あん…」

背中の傷をそっと撫でながら囁くと、柔らかな頬に置いていた手を胸に滑らせ、先端の蕾をまた優しく優しくこする。





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