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炎雷落ちるその日まで / 鬼滅の刃

第43章 ★ 獅子なる星が降る夜に〜彼目線〜 ★ ✳︎✳︎




彼女の耳元に口を持って行き、こう伝える。

「俺の事も名前で呼んでくれないか」
「……杏寿郎さん……」

………!

名前を呼ばれた。ただそれだけの事なのに、心臓がドクンと跳ね上がってしまう。そしてそのまま彼女の耳に一つ口付けをした。

「んっ……」
すると、七瀬の可愛い声が漏れる。


「思いが通じた相手から名前を呼ばれると言うのは、こんなにも幸せな事なのだな」

……これは君に初めて教えてもらった気がする。
ゆっくりと彼女を布団に寝かせると、何かが気になったのか一瞬だけ視線がそれる。

目線を追うと、先程太刀掛けに置いた日輪刀を見ていた。


「俺はここだが?」
柔らかく笑いながら、彼女の視界に入る。

「目を逸らさないでほしい」

「……はい」
そうして頷いた君に引き寄せられるように。俺は唇をそっと重ねた。


「好きだ……」
「ん、私も大好き……です」

隙間なく与える口付けの合間から囁きを降らす。
俺の首に手を回して気持ちを一生懸命伝えてくれる七瀬。

愛おしい気持ちと一緒に唇を流れるように動かして行き、首、鎖骨の順で恋人の体をなぞっていく……と、同時に寝間着の上から彼女の胸にピタリと自分の掌を当てた。



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