第43章 ★ 獅子なる星が降る夜に〜彼目線〜 ★ ✳︎✳︎
襖を開け、彼女の背中を優しく押しながら部屋に招き入れる。
千寿郎が用意してくれた行灯のあかりがぼんやりと灯っており、布団も敷いてあった。
俺は日輪刀を太刀掛に置き、七瀬を後ろからギュッ…と抱きしめる。
先程改めて感じたが、本当に小柄だ。この体でほぼ毎日、稽古や任務にあたっていると思うと愛おしさが増した。
「大分体が冷たいな」
回した腕に更に力を込め、自分の左頬を七瀬の右頬にピタッとくっつける。
彼女の顔にゆっくりと笑みが宿っていく。安心してくれていると言う事だろうか。
「七瀬」
後ろから名前を呼んだ後、自分の方にくるっと体を向ける。見上げてくる七瀬に俺の中の欲が少しずつ表出していく。
「俺の部屋に来た、と言う事はどういう事かわかるな?」
「はい……」
恥ずかしくて目をそらそうとする七瀬。
「ダメだ」と言った後、小さな顎を柔らかく掴む。そして親指でその可愛らしい唇をゆっくりとなぞった。
「これから君の全てをもらう……当然だが、朝まで離すつもりは毛頭ない」
「離さないで下さい……師範」
この一言でそれまで自分の中の抑えていた欲が、滝に落ちるように表に噴き出して行く——