第43章 ★ 獅子なる星が降る夜に〜彼目線〜 ★ ✳︎✳︎
「ん……」
先程と同じ甘い吐息をこぼす彼女。俺はトントンと舌で唇を開けるように促す。
せっかちだな…こう言う所でも性分が出てしまった。
七瀬が口を開けるとすぐに自分の舌を口内に侵入させ、歯列を丁寧になぞっていく。
気持ち良さそうにしている様子が伝わって来た。そのまま口内のいたる所を味わい、更に堪能する。
可愛い唇からゆっくりと自分の唇を離して行くと、お互いの絡まっていた銀の糸が姿を現す。
それは綺麗に繋がった橋のようだった。
ゆっくりと彼女が視線を上に向けてくる様子を真っ直ぐと見つめると、焦茶の瞳に映っている自分が思った以上に真剣で、少し笑ってしまう。
「これでウソではないとわかったか?」
「はい……」
流星の下で見る七瀬は照れている表情がとても可愛く、胸をぎゅっ…と掴まれた。
「君も俺と同じ気持ちと言うなら、一緒に来てくれ」
「は、はい」
やや戸惑い気味の彼女の肩をふわっと掴む。しかしはっきりとした拒絶ではない。それに安心した俺は玄関に向かった。
カラカラ……と戸を開けて一旦七瀬から離れると、脱刀して草履を脱ぐ。
彼女が草履を脱ぐのを確認し、再び肩を柔らかく掴んだ俺が向かった先は ——— 自分の部屋だ。