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炎雷落ちるその日まで / 鬼滅の刃

第43章 ★ 獅子なる星が降る夜に〜彼目線〜 ★ ✳︎✳︎




「師範と一緒に見れて良かった」

「む?」 「え?」
一瞬だけ、自分の思考が止まる。

「今、なんと言った?」
沢渡は自分の唇から紡がれた言葉に戸惑っているようだ。

「うーん、私何か言いましたか?」

言ったぞ。確実に俺の心が反応したからな…。

「聞き間違いでなければ。俺と一緒にみれて良かったと、そう聞こえたが?」

……はあ、とため息をつく彼女だ。腕組みをしながら、沢渡を見つめると、ますます慌てる継子。

………継子? いや、違うな。


いつから彼女を目で追うようになったのだろう。
「師範」と呼ばれる事にほんの少し寂しさを感じるようになったのだろう。
いつから君を「愛おしい」「かわいい」と思うようになったのだろう。
自分だけに見せてくれる笑顔が見たいと思うようになったのだろう。



俺は………“君の事をいつから異性として、好きだと思うようになったのだろう”

自分の胸の中で、彼女に対しての思いを改めて確認していた時だ——


「師範!」

彼女が自分をまっすぐと見つめて、ゆっくりと深呼吸を一回する。

「私、師範の事が好きです」

何だと…?


「……大好きです!」


——— 沢渡が俺の事を好きだと言った。




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