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炎雷落ちるその日まで / 鬼滅の刃

第43章 ★ 獅子なる星が降る夜に〜彼目線〜 ★ ✳︎✳︎



「そうですよね……」
彼女は再び夜空に視線を上げる。とても嬉しそうな表情だった。


「所でこれは一晩にどれくらい流れる?」
1人で観測するぐらいだ。数十個やそこいらではきっとないのだろう。


「獅子座流星群には母天体と言って、元になる彗星があるんですけど。その彗星が太陽から遠い位置にあると、1時間に数個ぐらいしか見れないんです」

「彗星か……」

「はい。でも今日の様子だと、1時間に数千個は……流れるかもしれませんね」

「そんなに?……凄いな!!」

数千個とは…予想以上の返答が返って来て心底、驚いてしまう。


「ええ。凄いんですよ」
ふふっと笑う彼女。

「君が星についてそれだけ知っていると言うのにも感心したぞ」

俺はうーむと唸って顎に手を置く。流星の数もだが、彼女の知識にも目を丸くしてしまった。


「ありがとうございます。星は小さい頃から好きなんです。天文学系の本は結構読み込んだんですよ」


そう言った後、彼女は俺の方に向けていた顔を再度夜空に戻した。
先程と変わらず、夜空には流星が降り注いでいる。綺麗だな。月並みな言葉だが、その表現がしっくり来る。

流れては消え、また別の場所から星が流れては消えていく。


去年もきっと今日と同じように流星が流れていたのだろう。沢渡がこうして観測をしていなかったら、俺は一生知らないままだったかもしれない。



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