第42章 緋色のあなたへの贈り物 〜さつまいもの甘味を添えて〜 +
カアーカァー!
襖の向こうから鴉の鳴き声がする。ん…小町か。
よいしょ……と気だるい体をゆっくり起こして、立ち上がる。途端に体がふらついて襖にもたれかかってしまった。
解熱剤は飲んですぐには効かない。私はゆっくりと襖を開けて廊下に出る。縁側に座ると、相棒の鎹鴉が私の肩にちょこんと止まってくれた。
「七瀬!ドウシタノ!具合、悪イノ??」
「うん…今朝起きたら発熱しちゃってて。今日は朝から休んでるの……」
「調子ガ悪イトキハ寝テオクノガ1番ダヨ!!ハイ、コレ。カナヲカラノ手紙!」
カナヲから……?
ありがとうとお礼を伝えて、小町の脚にくくりつけてある手紙を開いていくと、可愛く、綺麗な字でこう綴ってあった。
【七瀬ちゃんへ
お元気ですか? 背中の傷はその後いかがですか?しのぶ姉さんが気にしていましたよ。
継子としての鍛錬や日々の任務で忙しい日々だと思いますが、また蝶屋敷にお立ち寄りください。アオイ、すみ、なほ、きよもみんな七瀬ちゃんに会いたがっています。
それと、炭治郎について相談したい事があります。お手紙では伝えづらいので、出来れば会ってお話したいです。見回り中に七瀬ちゃんが好きそうな甘味処を見つけました。今度一緒に行こうね。
栗花落カナヲ】