第40章 彼を褒めれば笑顔に当たる ✳︎✳︎ +
「言わないと、ダメ……なんです、よね」
「そうだな」
ちう、ちう、ちうと連続で乳房に吸いつかれた。彼の頭がそこから離れると現れるのは、赤い鬱血痕だ。三輪の小さな花を杏寿郎さんは優しく撫でてくれる。
繋がりたいと本能が訴えて来た。ふうと息を一つついた後、私は彼に話しかける。
「あなたのここを…入れて欲しい……です」
「承知した。が、場所はどこだ?」
「えっ…と、その…」
端正な顔がグッと近づくと、恥ずかしさの余り、大袈裟に逸らしてしまった。場所なんて言えるわけないじゃない……!
そのまま黙っていると、悟ってくれたらしい。
彼は私の右腕をゆっくり掴むと、自分のそり返った肉棒へと導いてくれた。
「俺も君に体を触れられると、いつもここが反応するんだ。七瀬が欲している所にいれてくれ」
「……わかり、ました」
ふう…と深い呼吸を一つした私は掴ませた肉棒をきゅっと握り直す。
「んっ…」
「あ、ごめんなさい」
「いや、問題ない。心地良かっただけだ」
「安心しました…」
なら良かった。彼とは何度も体を繋げているけど、毎回安心感と一緒に緊張感も少しだけ味わっている。
良い意味で慣れないって言うのかなあ。杏寿郎さんって本当に魅力的なんだよね。
腰を上げ、彼の昂りを包むようにゆっくりと体を沈めた。進めていくと二人の体温が混ざり合う。
恋人の昂りが全て自分に入ると、心地よくてふうと息が自然に出た。唇がちうと一度吸われる。