第40章 彼を褒めれば笑顔に当たる ✳︎✳︎ +
パサ、と下着も取り払われると、夜の情事の時より遥かに眩しい光が自分と恋人を照らす。
「まだ明るいから恥ずかしいけど…それよりもあなたと繋がりたいです」
「ほう、これはまた随分と情熱的な誘いだな」
ちう、一粒の口付けを贈った後は太い腿(もも)の上にゆっくりと腰を下ろす。
固く鍛え抜かれた筋肉は私が乗っても揺らぐ事はない。
じわっと下腹部の入り口から自分の欲が流れ出すと、また恥ずかしさに拍車がかかる。
長く太い指が下の割れ目を確かめるようになぞる。ん……それやられると……声が、抑えられ、ない。
「あ、ン……」
「今日も甘いな」
「だから…それは、控えて……下さい」
私の愛液がべったり付着している彼の人差し指。そこを見せつけるようにチロリと恋人は舐め上げた。
カッと顔と体の温度が上昇する。両の頬と背中が特に熱い。
「やめろと言われると、やりたくなるのだが」
「杏寿郎さん、からかうのは…んっ」
続けて発しようと考えていた言葉は彼の口付けに飲み込まれた。そのままちうちうと唇が啄まれてしまう。
「七瀬は今日も可愛いな」
「………」
この人は私に可愛いとさえ言えば良いと思っている。
本当に悔しいな。じいっと恨めしそうに彼を見つめながら「杏寿郎さん」と声をかけた。
「どうした?」
目を細めて笑顔で返事をしてくれる彼を見ると、抵抗する気持ちが消え失せてしまう。
両頬があたたかい掌で包まれると、ゆっくりと撫でられる。
それから時間をかけて口付けをされると、また自分の下腹部の穴から垂れる雫が、彼の脛(すね)をじわっと濡らしていく。
「あっ、うン…」
「七瀬…どうしたい?」
自分の頬を包んでいた両手が乳房に移動した。彼は私の膨らみを静かに覆うと、頬同様に撫でてくれる。