第40章 彼を褒めれば笑顔に当たる ✳︎✳︎ +
「あ……ちょっと…」
彼が刺激したのは私の左右の薬指。ここは心身共に興奮状態になってしまうツボ。
「今、必要だと思ってな」
「もう…本当に意地悪ですよね」
「嫌か?」
「私がそう言えないの、知ってるでしょう?」
「そうだな」
「あ…ダメ…」
彼の唇が私の首元に吸い付いた。いつかと同じように少し強めに刺激される事3回。
「うむ。今日も綺麗に咲いた」
咲かせた所を撫でながら、艶っぽく笑う彼。
「……またぎりぎりの場所なんですか?」
「それは後で確認してくれ」
ええ…何でそんな事言うの………。焦る私を見ると突然くつくつと笑う杏寿郎さん。
「本当に君は飽きないな」
「………」
首をぷいっと横に向ける私。
「すまん、前にも言ったように君の事がかわいくてたまらないんだ。だから……」
許してくれ……そんな言葉と一緒に届いたのは、とても気持ちがこもっている口付け。
「やっぱり杏寿郎さんはずるいです」
「そうだろうか?」
「ずるいですよ」
今度は私から彼の唇へと口付けを届けた。そこはふっくらとした肌触りで気持ちよくて心地よい。
左頬が大きな掌で包まれ、撫でられる。すると、口元に笑みが浮かぶ。
「でもそんな所も大好きです」
「そうか、嬉しいな」
彼の首に自分の両腕を回した。先へ進んでも大丈夫 —— これは自分から彼に送る合図だ。
口付けを互いに続けながら、下へ下へ杏寿郎さんの右手が移動する。頬、首、鎖骨を通り過ぎて向かう場所は。
「んっ……」
「どうした? 服の上から触れているだけだぞ」
グッグッと左乳房が揉み込まれた。彼の言う通り、衣服の上から触って貰っているだけなのに……自分の体はそれだけで自然と身震いしてしまう。
これは怖いからじゃない。気持ちいいからだ。