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炎雷落ちるその日まで / 鬼滅の刃

第38章 よもやのわらび餅




「よし、そろそろ千寿郎が呼びに来る頃だろう」
「そうですね。台所に向かいます」

おでこを離し、お互い立ち上がると襖を開ける。


「爪はそのままで良いのか?」
「…はい、緋色と一緒に任務に向かいます。赤は魔除けの色とも言いますし!」
「そう言えばそんな事を聞いた事がある」

「杏寿郎さんは髪にも羽織にも…それから、脚絆と瞳の色にも赤が入っているからたくさんありますね」
「言われてみればそうだ」

フッと笑顔になる彼。


「日輪刀も赤いから、”魔”を斬る刀と言えます」
「それは君も同じだろう」

「私は元々空色だから少し違うと思いますけど…あ、でも炎の呼吸に切り替える際に赤くなるから、該当するでしょうか?」

だったら……。


「炎の呼吸は”魔”を斬る呼吸」
「ほう」

「厄災を払うと言う事で、どんど焼きやお焚き上げをやる風習があると聞きました。その際に炎を使いますよね」
「そうだな」

隣にいる彼を見上げる。


「私、そんな呼吸が使えているんだなあと思うと凄く誇らしいです!それと…すみません、耳を近づけてもらえますか?」

「ん?こうか?」

コソコソコソ……と少し屈んでくれ、自分と距離が近くなった彼の耳元で囁く。



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