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炎雷落ちるその日まで / 鬼滅の刃

第38章 よもやのわらび餅




———煉獄邸の庭にて。
着物から隊服に着替えた私は自分の刀を腰に携え、3人の前に立つ。

……が。


「杏寿郎さん、すみません。いつも指導を受ける側なので、私物凄く緊張しています…」

ガチガチに強張った肩。その場に縫い付けられたような足底。
泣きそうな顔で彼に訴えた。


「うむ、確かにその状態では出来るものも出来そうにないな…ではまず深呼吸3回!」

「は、はい……」
言われた通りに3回実行。


「次は…これだな」
すると杏寿郎さんがいつかと同じように、私の肩を2、3回揉み解してくれる。


「よし!どうだ?」
両手がポン、と肩を優しく叩いた。
あ……なんか色々とほぐれたかも。血の流れが良くなったのがハッキリとわかる。


「ありがとうございます!いけそうです」
ようやく笑顔が出せた。


「では頼む…」
「はい」

茜色の日輪刀を群青色の鞘から引き抜いた後、両手に持って胸の前で構え、そして目を瞑った後は深呼吸をゆっくりと一回吐き出す。

自分の体の中に存在している炎…燃え上がるような闘気を外に解放するように頭に思い描けば、じわじわと足元から熱風が上がって来る。
そこで目を開けた。スウ……と呼吸を一回——。


「炎の呼吸」


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