第38章 よもやのわらび餅
「……実は新しい型を思いついたんです」
「む…」 「ほう」 「え…凄いです」
杏寿郎さん、槇寿郎さん、千寿郎くんの日輪が大きく見開く。
「よもや、突き技か?」
「そうです…」
「なるほど、だから俺達を観察していたと言うわけか」
炎柱、そして先代の炎柱が納得の表情を見せた。
「皆さん、食べにくいわらび餅を難なくと口に運んでいました。だから使いこなせるのではないかと考えています」
「あの……技名は決まっているのですか?」
右横から千寿郎くんが私に質問して来た。
「はい……」
3人からまた驚きの声が同時に出る。
「七瀬、早速で悪いが見せてもらいたい。良いか?」
「わかりました」
して、技の名前は? 続けてそう聞いて来た恋人に私はこう応えた。
「…………心炎突輪(しんえんとつりん)です」