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炎雷落ちるその日まで / 鬼滅の刃

第38章 よもやのわらび餅




彼がこちらに近づいたかと思うと、私の両手をそっと持ち上げる。


「思いがけず、早く見れて嬉しい」

「……気づいていたんですね」

「いつも君を見ているんだ、気づかないわけがないだろう」

杏寿郎さんから、10個の緋色に触れるだけの優しい雨が降って来る。彼の唇は今日も暖かい。


「後でまたじっくり見せてくれ」
「……はい」

私は少し顔を赤くしながら、彼と一緒に居間に戻った。





「ごちそうさまでした」
居間に4人の声が響く。さて、3人にこれを伝えないと…そう考えていた矢先に。


「七瀬さん、何か言いたい事があるのか?」
槇寿郎さんに問われる。

……と言う事は。


「ああ、俺もそう思っていた」
だよね……杏寿郎さんも気づくよね。


「すみません、俺も……」
「え??そうなの?」
驚いた!千寿郎くんまで。


「こちらからも聞きたい。俺だけではなく、2人がわらび餅を食べる様子を観察していた。何故だ?」

槇寿郎さんが真っ直ぐと燃える日輪の瞳で私を射抜くと、ドキッと心臓が跳ねる。
………本当、嘘なんてつけない。顔は全く向けてないのに、視線だけで判断されてしまった。




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