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炎雷落ちるその日まで / 鬼滅の刃

第37章 不機嫌な萌黄に八雲謝る、の巻



村田さんの目が少しだけ潤む。栞さんは誰に対しても自分の素直な気持ちを伝えれる人。
私も彼女のそういう所はとても良いな…と感じている。

だから周りにいる人はもちろん、恋人の杏寿郎さんには特に素直な気持ちを伝えていかないと…って思うようになれた。


「でも冨岡の事も同期だし、仲間だし、あいつなら仕方ない……そんな風にも思ってる。俺は一般隊士、あいつは柱。せめて色恋だけは負けたくないって感じてたんだけど、世の中ってなかなか上手くいかないな」

ふう、とまた一つ息を吐いて残りのわらび餅を全部食べた村田さんはおかわりするわ…と言って今度は黒蜜のわらび餅を注文した。

村田さんの気持ちもわかるな。沙希にも言った通り、私は師範の杏寿郎さんに全く勝てない。

稽古や腕相撲ならまだしも、娯楽のかるたでさえも全く歯が立たなかった。

これは本当に本当に悔しい。


「すみません、年下の私がこんな事を言うのはおこがましいんですけど……村田さんの事を見てる方はちゃんといらっしゃると思います」

隣で沙希もうんうんと頷く。
すると、店員さんに黒蜜わらび餅を頼み終えた彼が、私と沙希をえ?と言う表情で見た。





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