第31章 風を知り、岩を知り、そして全呼吸の理(ことわり)を知る
「お庭ですか?どうしてですか?」
ちょっと急すぎて頭がついていかない。
「風の呼吸について知りたいんだろォ。俺は言葉で説明すんのが苦手でなァ」
………はあ、だからどう言う事??
「実践形式ってやつで教えてやらァ、炎柱の継子」
実践?実践ってあの実践??……え?と言う事は。
「お前、炎の呼吸の改を2つも編み出したんだってなァ、せっかくだから見せてみろや」
不死川さんがニヤリと笑いながら、私を見た。
…………やっぱりさっき見た彼は夢だったのかもしれない。
背中から冷や汗がダラダラ流れる中、風柱とお庭に向かったのだった。
★
不死川さんとの手合わせが始まった。
「風の呼吸 弐ノ型」
「——爪々・科戸風(そうそう・しなとかぜ)」
風柱が木刀を上段から下段に振り下ろし、鋭い爪で引っ掻くような斬撃を出して来る。そしてそれは4つ同時に放たれた型だった。
ちょっと………!最初に出してくる型がこれってどう言う事??
焦った。
けれど、呼吸を瞬時に整え、下半身をグッと踏み込む。
「炎の呼吸 壱ノ型・改」
「不知火・連!!」
木刀を左右に振って出した炎の斬撃で応戦すると、紅蓮の光が2度薙いだ。