第28章 神器と共に炎の神楽を舞い踊れ ✴︎✴︎ +
別段、何もおかしい所はなさそうだけど……。
綺麗な青い瓦屋根が最初に見た時と同じように、そこにある。
「七瀬!猪頭少年!君達も怪我を見てもらってくれ!」
杏寿郎さんが私達を呼んだ。
「伊之助、行こう?」
「おう……」
何だろう、伊之助がこんなに気にするなんて。少し後ろ指を引かれる思いだったけど、私と彼はみんなの元に急いで向かった。
「あ…杏寿郎さんの分のお酒余っちゃいましたね。どうしますか?」
私はアルミ製の水筒を見て、彼に聞いてみる。
「そうだな……勝利の美酒として、父上と飲むのも良いやもしれん」
「あ、それ凄く良いと思います。参加出来ないのが残念です…」
私は17歳。20歳になるまで後3年あるから、まだお酒は飲めない。
すると……
「3年経ったら、酒を3人で飲むか?」
え………
恋人からの願ってもいない提案に私の顔が一気に綻ぶ。
「はい!!是非!!」
「また君との楽しみが一つ出来て嬉しい」
こうして私達は無事に八岐大蛇を討伐して、赤坂氷川神社を後にした。
ああ、それから腕の擦り傷。
血は少ししか出なかったけど、皮膚はそれなりに深く切っていたようで、しのぶさんに2針程縫って貰った。
「こういう傷はなかなか厄介だったりするんですよ…煉獄さんに感謝しないといけませんね」
本当にね……
私は改めて彼に対する尊敬の念を強くした。杏寿郎さん、いつもありがとうございます!!