第28章 神器と共に炎の神楽を舞い踊れ ✴︎✴︎ +
頑張ろう………この思いに応えなきゃ!
私はそう決意をすると「はい!!」と力強く、炎柱に返事をした。
★
「と、言うわけ」
「へぇ……」
私が善逸に一通り話し終えた所で、後ろから知っている声が聞こえて来た。
「炎柱様!みなさん!お怪我等はないですかー?」
隠の内田さんが数人の隠と一緒に現れて、こちらに向かってくる。
「ああ、怪我は全員かすり傷がほとんどだが、念のため一度確認してもらえるか?必要ならこの場で出来る処置をお願いしたい」
「かしこまりました。では確認してみますね……あれ?所でこのかわいい女の子、どなたですか?」
内田さんが禰󠄀豆子をみて、頭巾の間から見える目を輝かせた。あ、禰󠄀豆子に会うのってこれが初めてだっけ…
「ちょっと内田さん!禰󠄀豆子ちゃんはダメです!俺がいます!」
さっきまで足が震えていた善逸は、凄い勢いで禰󠄀豆子と内田さんの間に割って入る。
「残念!まあ確かにこれだけ可愛ければ恋人もいるよね〜」
「こ、ここここ恋人なんて、そんなあ〜。禰󠄀豆子ちゃん、照れるね!」
「ムーン、ムーン」
先程と同じようにくねくねする善逸と、ニコニコ笑顔の禰󠄀豆子。
私もその様子を見て笑顔がこぼれた。
あれ?そう言えば伊之助は………。
周りを見回してみると、彼は社殿の目の前に仁王立ちしていた。
「伊之助!どうしたの?」
後ろから声をかけて、駆け寄ってみる。
「いや……なんかここ、気になってよ」
「ん?そうなの?」
伊之助が瓦屋根を見ているので、私もそこに視線をやる。