第28章 神器と共に炎の神楽を舞い踊れ ✴︎✴︎ +
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「君と俺の考えを擦り合わせたい。聞かせてくれるか?」
「はい…」
「1人で連撃を出す、もしくは同じ属性の型を2人で連続して放つ。私はこう判断したんですけど。どうですか?」
私は杏寿郎さんの目をじっと見据えた。
すると、彼は「同じ意見だ」と言った後、私の肩にポンと刀を手にしていない右手を置く。
「お酒を投げつけると、動きが鈍りました。大正に蘇った八岐大蛇と言って良いかもしれません」
「蘇った、か。確かにな…。そして今からの方法だが、連撃はやはり体への負担が大きい。よって2人で呼吸を合わせて、同じ属性の型を放つ。これが最良だと俺は思うが、君はどうだ?」
杏寿郎さんが私に確認してくる。
「そうですね。でもその場合って、私……」
「竈門少年、そして俺。君は2回呼吸を合わせる事になるな」
「はい……私に出来るでしょうか」
両手に持っている茜色の刃を胸の前で構え、ギュッと柄を握る。肩にも力が入ったのがわかった。
「君1人でやれと言っているのではない。俺もいるし、竈門少年もいる。それに七瀬は息を合わせると言う事が特に長けている。だから……」
「君なら大丈夫だ」
杏寿郎さんが私の肩に乗せていた右手を離し、今度は私の両手を上からギュッと握ってくれる。
大きな掌から彼の思いがジワッ……と、伝わってきた。