第28章 神器と共に炎の神楽を舞い踊れ ✴︎✴︎ +
「はい、じゃあ、しのぶさんに診てもらいます。ありがとうございます…」
「うむ!」
再度、頭が撫でられた。
と、そこへ……
「ムーン」
かわいい声がすぐ側から聞こえた、と思えばギュッ…と私を抱きしめてくれる腕が2つ。禰󠄀豆子だった。
「七瀬ちゃん、俺すげぇ足が震えているんだけど、これって何?」
目をぱっちりと開いた善逸が炭治郎に肩を貸してもらいながら、禰󠄀豆子の後ろから歩いて来た。
「……善逸、覚えてないの?」
「え?何の事?」
首を傾げる善逸だ。
「あんなにはっきり話してたんだぞ。本当に覚えてないのか?」
「なになに?炭治郎まで。ねえ、俺何したの?」
「…………」
やっぱり目は覚めてなかったんだ……。
「凄かったんだよ、善逸。かっこよかったし!」
「ええ〜そうなの??なんか照れるね〜」
体をくねくねしながら答えるけれど、その動きのせいで足がもつれ、善逸に羽織を引っ張られた炭治郎と2人尻餅をついた。
「あーあ、大丈夫??」
私は抱きしめていてくれた禰󠄀豆子をゆっくりと離すと、後輩2人の手を掴んで立ち上がらせた。
「あ!それとさ、大蛇って結局どうやって倒したの?」
お酒投げつけた事も覚えてないんだ……あんなに意識はっきりしてたのに。私は炭治郎と顔を見合わせて笑ってしまった。
「それはね……」