第28章 神器と共に炎の神楽を舞い踊れ ✴︎✴︎ +
私と炭治郎以外の4人が応戦している所に、呼吸を整えながら近づく。
「水の呼吸・肆ノ型 」
空色の刀身からザア……と波が打ちつけるような水の流れが溢れた。
「———— 打ち潮」
2つの波がうねるような連撃を大蛇に放つと、炭治郎が間髪入れずに私の後ろから型を出した。
「水の呼吸・捌ノ型」
「——— 滝壺!!」
彼が地を蹴り、大蛇の上から日輪刀を振り下ろすと、滝のような水流が蛇の体を叩きつける。
2つの連続した水の呼吸の型に、4つの内、2つの大蛇の頭がのたうちまわる。そこに炭治郎もお酒が入った水筒を投げつけると、酔いが回ったのか更に動きが弱くなった。
『よし———』
次に私がする事は……まず、水から炎に呼吸を切り替え。そしてまた大蛇に近づいていく。
杏寿郎さんをちらりと見る。
『やっぱりあの型か……』
自分が放つわけではないのに、心臓の鼓動が少し速くなった。私はこれに集中しよう!
「全集中! 炎の呼吸・弐ノ型」
刀身が空色から茜色に変化する。
「—— 昇り炎天」
暗い境内に現れる、明るい炎の円輪。本当にこの型は”太陽”だと思う。私の炎刀から放たれた弐ノ型は大蛇達の頭をスパン、と斬りつけた。
「伊之助!善逸!お酒を大蛇に投げて!!」