第28章 神器と共に炎の神楽を舞い踊れ ✴︎✴︎ +
すると、私が放った2匹の燃える虎が弱った蛇を飲み込んでいく。
繋がっている為か、もう1つの蛇も動きが鈍っており、そのまま蛇達は2匹の虎に全てを喰われた。
残り6つの蛇も少し動きが緩やかになる。
「炎の呼吸・壱ノ型………改!」
えっ?まさか………
杏寿郎さんが足と腰を深く落として、型を放つ体勢になる。
「不知火・連!」
いつの間に………!
彼が放ったのは、いつかの特別稽古で私が使った壱ノ型の改。
そう………不知火の連撃。
私があの時放ったものよりも速く刀が左右に振られ、威力も2倍。
いや、3倍はありそうな斬撃が大蛇に向かって放たれた。
2つの炎の斬撃は6つの内、2つの蛇の頭を完全に焼き切り、ボロボロと崩れていく。
「凄い………」
やっぱり柱だ。せっかく編み出した”改”だけど、師範である杏寿郎さんが放つと、完成度がグッと増していた。
「七瀬!呆けている場合じゃないぞ!まだ後半分の蛇が残っている!」
「はい!!」
そうだ、まだ半分倒しただけ……。
さて、ここからはどうやって倒して行けば良いのか。
“心”、”体”……と来て、最後の“技”は技術。
だから私は応用と言う意味で、伍ノ型の改を放った。
「心・技・体」この3つは剣士にとって必須要素。
そこを狙った血鬼術なんて……なかなか曲者。