第28章 神器と共に炎の神楽を舞い踊れ ✴︎✴︎ +
「ヒノカミ神楽・灼骨炎陽」
「獣の呼吸・伍ノ牙」
「—— 狂い裂き!」
炭治郎が日輪を描くように、刀をぐるりと振るう。
続けて伊之助が宙を舞い、二刀を振って周囲を四方八方に斬りつける立体的な型を出した。
一旦は蛇の双頭は弱まって形を崩すのだけど、すぐに再生してしまう。
………どういう事?
…………………………
考えろ、考えろ…私と杏寿郎さんは「心」だった。善逸は「体」だった。そこを突かれた血鬼術……。
心……体………心……体………あっ、もしかして!!私は呼吸を再度整え、刀を中段に構えた。
「七瀬!!恐らく”技”だ!」
杏寿郎さん……やっぱりそうですよね!
「炎の呼吸・伍ノ型………改!」
2つの蛇が再度、こちらに向かってくる———
「炎虎・番(えんこ・つがい)!!」
大きく刀を振って、紅い虎の斬撃を放った。
ここまではいつもの炎虎。”改”と言うからにはそれだけじゃない。
1匹だった虎は途中から双頭の蛇と同じように、頭が2つになり、2匹の虎はそれぞれが大きな口を開けて、蛇を飲み込もうとする。
私はベルトに下げていた水筒を蛇めがけて投げた。
蛇がお酒の香りを捉えて、水筒もろとも飲み込む……と急に片方の蛇がくたっ……と頭を下げた。
効いた————??