第28章 神器と共に炎の神楽を舞い踊れ ✴︎✴︎ +
もわ………と煙が晴れた先に。
1つの胴体から上に伸びているのは8つの頭。そして下に伸びているのは8つの尾。全長は頭の先から尾の先まで、およそ15メートルから20メートル。
「大蛇が目覚めたか…」
杏寿郎さんが呼吸を整えた。8つの内、2匹の蛇がこちらに向かって、鋭い牙を見せながら近づいてくる。その四つの双眸はほおづきのように真っ赤だ。
「炎の呼吸 弐ノ型」
「——— 昇り炎天!」
彼の炎刀から炎の円輪が放たれる。2匹の蛇の首が一瞬で焼け落ちた。
これでボロボロと崩れていく……はずだったのだけど、千切れた2つの首がみるみる内に元通りに形を戻していく。
「む!」
「え…どうして斬れないの??」
驚いた。そうしている間に別の2匹の蛇が向かって来る。
咄嗟に呼吸を整え、放った型は———
「炎の呼吸・参ノ型」
少し助走をつけて、高く跳躍する。
「——— 気炎万象!」
刀を持つ掌にいつも以上に力を込め、蛇の双頭に上段から茜色の刃を振り下ろした。燃える炎が2つの頭を焼いていく。
………が、やはりまた完全に崩れずに再生した。
もう!どうして??