第28章 神器と共に炎の神楽を舞い踊れ ✴︎✴︎ +
「七瀬ちゃん。あいつはどうなった?」
目を閉じてるけど、言葉ははっきり話す。かっこいいじゃん!善逸……。
「ああ、茶色の蛇ね。善逸が八連を放った後、術が私と杏寿郎さんのいる方向に向かって来たから、いまいま杏寿郎さんが相殺して……」
私は目の前の光景にびっくりした。
「え……蛇って……??」
「うぉっ!4匹もいやがったのか!」
「どう言うこと? 俺達が相手していたのは2匹じゃなかったの?」
「煉獄さん、あれって……」
「大蛇、だろうな。尾の先の蛇と合わせると、丁度8つだ。間違いないだろう」
杏寿郎さんが日輪刀を握り直して、闘気を足元からじわっ…と出していく。私達4人もそれにならい、刀を握り直す。禰󠄀豆子戦闘態勢に入った。
「あーあ。結局4人じゃないと俺達って大した事ないねぇ」
「ふん、お前達と離れる事がようやく出来てせいせいしていたが……やむをえまい」
颯(はやて)と蛟(みずち)がぼやく。
「ったく、冗談じゃねぇ。俺は自由にやりたかったのによ…」
「炎の柱に手ひどくやられたくせに、何を言う。小童」
「ああ?なんだと!おい……」
血気盛んな焔(ほむら)に対して、沃野(よくや)はいさめるように突っ込みを入れている。
「 ——結集」
四人の蛇鬼の声が揃うと、ボン!と大きな煙が神社内に湧き上がった。