第28章 神器と共に炎の神楽を舞い踊れ ✴︎✴︎ +
「俺もそう思います」
善逸も炭治郎の意見に同意する。
「ギョロギョロ目ん玉!」
伊之助が杏寿郎さんに声をかけた。
「頼んだぜ」
「……承知した。では七瀬は俺と行動しよう」
「あ、じゃあみんなこれ………」
杏寿郎さんから、持って貰っていた風呂敷を受け取る。
槇寿郎さんから頂いたお酒を隊服のベルトにつけれるよう、竹筒にしようと思ったけれど……
臭いが強かったので、アルミ製の小ぶりな水筒を町で見つけてそれに入れ替えた。
これならお酒の臭いはそんなにしない気がする。多分ね。3人にそれぞれぶら下げれるよう、紐がついた水筒を渡す。
「何かあれば、鎹鴉を飛ばしてくれ。こちらも同じようにする。それから、酒はここぞと言う時のみだ。大切に使おう」
「はい!」
「はい!」
「おぅ!」
炭治郎、善逸、伊之助が返答する。
「ムーン」
禰󠄀豆子は私に向かって両手を広げて来る。もう……可愛すぎる……この子…。
ぎゅう……と私より少しだけ小柄な体を抱き締めた後は、よしよしと炭治郎が彼女によくやるように、頭を撫でるとにっこりと可愛い笑顔を見せてくれた。
「では行くぞ!」
二手に分かれて、私達は左を炭治郎達は右に行く事になった。
みんなで灰色の鳥居をくぐると、何だか嫌な空気が体に纏わりつくような……そんな感覚がした。
ん……なんだろう、これ。
私は鳥肌を立てながらも、すぐ側にいる杏寿郎さんの姿を確認しつつ、足を進めて行く。
その気持ち悪い感覚がフッ……と消えたかと思うと、社殿が後10メートルあるかないかの所まで歩いて来ていた。
『あ、消えてくれた。ちょっと気持ち悪かったな』