第28章 神器と共に炎の神楽を舞い踊れ ✴︎✴︎ +
「血鬼術……でしょうか」
私はみんなを見回しながら、口を開いた。
「ああ、そうだろうな」
杏寿郎さんのその言葉を聞いて、私は左側にさしてある日輪刀の柄を握る。
「神社の真ん中あたりから、その気持ち悪さを感じるぜ。ここは大丈夫だけどな」
「真ん中、と言うと……」
私は隊服の胸ポケットに入れておいた地図を取り出して確認する。
右手人差し指で、つつつ……と辿っていた先は。
2つ目の大きな灰色の鳥居。
「なるほど、ではそこまで行ってみよう。各自周りに気を配って進むように」
そう言うと、杏寿郎さんは先頭に立って歩み始めた。
炎柱の羽織がまた逞しく見える。
その後に炭治郎、禰󠄀豆子、善逸、私、伊之助と続いた。
5分もしない内に2つ目の鳥居に到着。
うん、私でも何となく感じる。この薄気味悪い感覚。
「確かに禍々しい気が漂っているな……ではここからは二手に分かれよう」
「あ、それじゃあ……」
杏寿郎さんの指示に炭治郎が口を開く。
「竈門少年、どうした?」
「はい…七瀬なんですけど、俺達と一緒にいるより柱の煉獄さんと一緒に行動した方が良いんじゃないかと思います」
炭治郎……。