第28章 神器と共に炎の神楽を舞い踊れ ✴︎✴︎ +
20時……赤坂氷川神社にて。
一見見た限りではごく普通の神社。何の変わりもないのだけど…鬼が出ると言う事は何かが必ずあるはず。
私達は大きな灰色の鳥居の前に、一列に横に並んでいる。
「嫌な気配をビシビシ感じるぜ。確実にいやがる」
「ね、ねぇ、今から引き返したらダメ??」
「善逸!ここまで来て何を言っているんだ…」
「ムーン、ムーン」
伊之助、善逸、炭治郎がそれぞれの思いを吐露する中、禰󠄀豆子は炭治郎の横にちょこんと立っていた。
「猪頭少年!どの方角かわかるか?」
杏寿郎さんが伊之助に問う。
「おぅ、ちょっと探ってやるよ」
少し歩いてザク、ザク、と彼は背中の2本の刀を地面に突き立てると、片膝をついて両手を大きく開く。
「獣の呼吸 漆ノ型」
「空間色覚———」
伊之助が集中している。炭治郎は嗅覚、善逸は聴覚。
そして伊之助は触覚が鋭い。この技はその触覚を大いに活かして、空気の細かな揺れを感じる事が出来る。
「……………」
どうなのかな……私達は固唾を飲んで様子を見守っていた所……
伊之助がすくっと立ち上がると、杏寿郎さんが話しかける。
「どうだ?何かわかったか?」
「ああ…でもよ、この神社何かモヤみたいなもんが全体にかかっててよ。3つに分かれてるな。で、それぞれが気持ちわりいぐらいのおぞましさだぜ」