第28章 神器と共に炎の神楽を舞い踊れ ✴︎✴︎ +
「申し訳ありません……煉獄家に配属になって、ヒック! 嬉しい事ってたくさんあったんですけど……自分、今日が1番嬉しいです………グス…」
その後も内田さんは人目も憚らずに泣き続けた。
「内田、本当にすまない」
「いえ、これは…嬉しい涙ですから…! お気に、なさら……うっ」
私ももらい泣きをしそうになったので、杏寿郎さんに手ぬぐいを取ってくる旨を伝えて一旦家の中に入る。
そして再び庭に戻ると、杏寿郎さんと槇寿郎さん以外の男子がみんな涙を流していてビックリした。
2人も涙を流すまではいかないけど…思う事があるんだろうなあ、と言う表情をしている。
『多めに持って来て良かった…』
千寿郎くん、炭治郎、善逸、伊之助(涙は被り物で見えないけど…)の順番に手ぬぐいを渡して行くと、皆が鼻をかみ、再度涙を流す。
朝から良いものが見れて、自分の心が気持ちよく癒されていく。
10分後、ようやく涙を流すのをやめた内田さんは今夜の任務についての確認事項を済ませて「本当に本当に良かったです……」と何度も言いながら、煉獄邸の中に入って行った。
内田さん、気持ちは大いにわかります……!!