第27章 岩戸から出てくる日輪 +
そして、現在に戻る………
「七瀬ちゃんってさあ」
「うん……」
善逸が話を聞き終わった後、1番に口を開く。
「本当にここぞと言う時に強いよね。巧さんがよく言ってたけど……俺、改めてそう思った」
「ありがとう」
私は善逸に笑顔を向けた。
「おい、七瀬……」
え?伊之助が私の名前ちゃんと呼んだ………
「また今度俺と勝負しろ」
「う、うん。良いよ………」
「俺の心配は必要なかったかもな」
炭治郎が私を見て肩をすくめた。
「ううん、そんな事ない。気にかけてくれて凄くありがたかった」
「よし!今の話を聞いても、やはり七瀬は連れて行くべきだ。明日の為にもう休むぞ」
杏寿郎さんのこの声を最後に話し合いは終わり、各自、部屋に戻ったのだった。
★
『眠れない………』
部屋に戻って布団の中に入っているけど、気分が高まっているのか全く瞼が重くならずに私は困っていた。
水でも飲んで来ようかな。
布団から出た私は寝間着の上に羽織を着て、台所に向かう。
襖を開けて廊下に出ると……私の今の心がわかっているかのように杏寿郎さんがこちらに向かって来るのが見えた。
“本当になんでこんなに察しが良いんだろう”