第27章 岩戸から出てくる日輪 +
「これは全部私が勝手に考えた推測にすぎません。でも……一人じゃ難しい事も仲間と協力して行えば、討伐の確率は絶対上がります! 後は煉獄家のご先祖様のように、自分に都合が悪い事が起こったとしても、怯まず、その時の己に出来る事をする。そうすればきっと道は開ける。私はそう信じています……!! 」
………そこまで言うと、槇寿郎さんは私にくるりと背を向けて一度部屋の中に入った。
自分の考えをベラベラ一方的に話しちゃったから呆れられたかな……。
しばらく正座をして待っていたら、私の目の前に1つの酒瓶がトン……と置かれた。
「え……これ…よろしいんですか?」
私は目を見開いて、先程と同じように目線を合わせてくれた槇寿郎さんに問いかける。
「任務に必要なんだろう?持って行きなさい」
私を見る2つの日輪。それは大好きな恋人や、恋人の弟と同じ瞳だった。
「……杏寿郎はとても良い継子を持ったのだな。君の話を聞いて、頭をガツンと打たれた気分だ」
彼がフッと優しく笑う。
………やっぱり2人のお父さんだ。私も笑ってしまった。
「そこは笑う所か?」
大きな掌が私の頭にぽん、と乗せられる。
「……すみません。嬉しくなってしまって…親子だなあって」
目から涙が1つ流れた。それを皮切りに次々と涙がこぼれる。
「……俺が泣かせたみたいだな…まあそうなんだが」
戸惑いながらも、優しく優しく私の頭を撫でてくれた。こんな所も本当に杏寿郎さんとそっくり。
「さあ、もう戻りなさい。これ以上遅くなると2人に怪しまれるぞ」
酒瓶を私に掴ませてくれると、そのまま手首を優しく持って立たせてくれる。
「杏寿郎さんとここも一緒なんですね。掌もそっくりです」
「……そうか?」