第27章 岩戸から出てくる日輪 +
「しかし、炎の呼吸を使用する剣士 —— 我が家の先祖だな。彼は何故だかわからないが、痣が出現する事はなかった」
「え、どうしてですか?」
「さあな、それは不明だ……しかしこれだけはわかる。周りに出来る事がどうして自分だけ出来ないのか。さぞかし落ち込んだ事だろう」
「………」
私は口を閉ざしてしまった。
それから彼 ——— 当時の炎柱はそれでも悪鬼を滅殺し続け、その天寿を全うするまで人生を鬼殺に捧げたと言う。
「三百年以上続いている我が煉獄家は、代々炎の呼吸を受け継ぎ、炎柱の雅号(がごう)も繋いで来た家系だ。これは君も知っているだろう?」
「はい、継子になってすぐに師範から教えて貰いました」
「俺の父も炎柱を務めていてな。父の姿勢を幼少時から見ている内に自分も柱へなる、と自然と目標が定まったんだ」