第27章 岩戸から出てくる日輪 +
———3日後、木曜日。22時50分、煉獄邸の客間にて。
「お、やっぱり……モグ……これ……モグ……うめえな!!」
私達は今、とある話し合いの為にここに集まっている。
座卓の上に置いてあるカステラを口の中いっぱいに頬張っているのは「猪突猛進」が口癖の伊之助。私の目の前に座っている。
湯浴みを済ませたので、猪頭はかぶってはいない。小顔で綺麗な顔がそこにある。本当に男にしておくのがもったいない顔立ち。
10人並みの私が本気で化粧しても勝てない気がする……。
ちなみに伊之助は私のカステラを全部食べたあの日から、天ぷらと同じくらいカステラの事を気に入ったらしい。
「伊之助!1人で全部食べようとするな!……また七瀬が怒るぞ」
「そうだよ!あの時、俺と炭治郎で止めるの、すっげー大変だったんだからな!」
伊之助の右隣にいる炭治郎、左隣にいる善逸が、伊之助とカステラを巡ってやりあう。そうそう、2人がいなかったから私ももっと生傷が増えてたはず。
そんな3人のやりとりを微笑ましく見ながらカステラを一切れ、口に含んだ。
んー!先日も宇髄さんの所で食べたけど、本当に好き!この上品な甘さがなんとも言えない!
「美味しい……!!」
私が目一杯カステラを堪能していた所に、凛とした声が響く。