第27章 岩戸から出てくる日輪 +
「次の任務の伝達だ」
「どんな内容なんですか?」
「君は氷川神社の事は知っているか?」
氷川神社……ああ、確か……
「砧村にある神社、ですよね。ここ駒沢村から6キロ先の。氷川と名前がつく神社は他にもたくさんあるようですけど」
「そのようだな」
氷川神社とは、埼玉県・東京府の荒川流域、特に旧武蔵国足立郡を中心にして氷川信仰に基づいている神社の事だ。
埼玉県にある「武蔵一宮氷川神社」が、約280社ある氷川神社の総本社と言う位置付けになっている。
そして ——
なんとなく察しがついて来た。鼓動が早まってくる中、私は質問をする。
「出てるんですか?鬼が」
………彼の返答をドキドキしながら待つ。
「その通りだ! しかし出るのは砧村ではない。赤坂の氷川神社だ」
「赤坂にもあるんですね、初めて知りました……」
「俺もだ! 何せ二百八十社もあるからな。面白い事に七瀬、ここのご祭神は君と非常に縁深いようだぞ」
「え………それって……」
彼がまっすぐ私を見て、こう告げた。
「そうだ……ご祭神は須佐之男命だ」
「えっ!! そう、なんですね……」
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※駒沢村………現在の東京都世田谷区桜新町
※砧村……現在の東京都世田谷区喜多見