第27章 岩戸から出てくる日輪 +
「ごちそうさまでした!」
3人の声が重なる。
私と千寿郎くんが食事が乗ったおぼんを台所に持って行こうと立ち上がると、杏寿郎さんに声をかけられた。
「終わったら、俺の部屋に来てくれないか?少し話がしたい」
「わかりました」
なんだろう……。
「あ、千寿郎くん。古事記ってもう読み終わってる?」
私は横を歩く彼に声をかける。読んだと言うので、貸してほしい旨を伝えると、快く了承してくれた。
「じゃあ後で、お部屋行くね!」
「わかりました。用意しておきます」
私は食事の片付けが終わると、杏寿郎さんの部屋へと急いだ。
襖の前から声をかける。
「杏寿郎さん、七瀬です。入ってもよろしいですか?」
「ああ」
スッ……と襖を開けると、彼は文机の前に座って腕組みをしていた。そして視線の先—— 文机の上には一枚の紙。
「杏寿郎さん?それは……?」
私は彼の右横に座って、そこから覗き込むようにして確認をする。