第27章 岩戸から出てくる日輪 +
こういう時、もっと経験があったり、大人だったら、説得力がある言葉が言えるのにな。
色々考えていたら、目の前の自分の朝食が全て空になっている事に気づく。考え事をしていても口はしっかり動いていたらしい。
それから杏寿郎さんと千寿郎くんの膳を確認すると、2人はとっくに食べ終わっていた。
杏寿郎さんはおかわりも何回かした様子。
「わっしょい!」も聞き逃すなんて。どれだけ考え事に集中していたのだろう……。
「ごめんなさい。遅くて……」
「俺達が食べ終わったのはほんの5分前ぐらいだ。気にするな」
「ありがとうございます」
「それから、七瀬のいう通りかもしれない。何事も暗い気持ちでいるのが1番良くないからな」
本当に杏寿郎さんは優しい。
そう言う風に言ってもらえると心が元気になる。
「はい……きっとそうですね」