第24章 霞む記憶が晴れた先に +
赤くなった頬をペチっと一回叩いて、襖を開ける。
「お2人、相変わらず鋭いです……」
前回、宇髄さんの所で集まった時も初対面だと言うのに。
私の顔を見られただけで、杏寿郎さんと恋仲と言う事がすぐにバレてしまった。
以来、顔を合わす度に上のお姉さん達には何かと気にかけて貰っている。須磨さんとは1番歳が近いから、お姉さんと言うより友人に感覚が近いかな。
「君がわかりやすいというのもあるぞ」
「はあ…そうでしょうか」
「奥方達が、せっかく用意してくれたんだ。戻ろう。気になるのだろう?カステラが」
「それは……もちろん。とびきりと言われると……」
…………すごく気になる。
いや、違うなあ…………物凄く気になる。
「七瀬…俺はその内、カステラに嫉妬するやもしれん」
「あはは!何ですか、それ……」
笑ってしまう。カステラに嫉妬なんて……
あ、でも……