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炎雷落ちるその日まで / 鬼滅の刃

第24章 霞む記憶が晴れた先に +



「ふふっ、そうですか?」
「ああ」

ようやく杏寿郎さんがいつもの笑顔を見せてくれた。見てるこちらまで元気にさせてくれる大好きな笑顔だ。

「して七瀬」
「はい……」
「どうするんだ?手合わせは」

もちろん……

「お断りしますよ。天才剣士に勝負を挑む程、命知らずではないので。それにこれ以上柱の方と勝負するのは本当に気力が削がれます」

ははは、と頭上から笑いが降って来る。


「あ、でも蜜璃さんとは試合とまではいかなくても、やってみたいなあって思います。しのぶさんとはまた全然違うでしょうから」

「ほう、それは面白そうだな。すぐに提案してみるとしよう! その前に…七瀬、俺が再度君に勝負を申し込む!」

「えええ、勘弁して下さい……」

言ってる側から何て事を言うのだろうか。


「安心しろ、恋の勝負だ」
「こい? 」

コイ?鯉?故意?え?何?


「時間は無制限。どちらかが苦しくなったら終い、と言う事にでもしよう」
「………?」
全くわからない。なんだろう?

「行くぞ……始め」
「ん、」

杏寿郎さんの唇が私の唇に届く。
彼の熱い熱い口付けが私の口内を優しく、時に深く攻めて来る。
もう、これは私絶対勝てないよ。


「んう、きょうじゅ…さ…はぁ」
「七瀬…」


舌での愛撫を受けていると、互いの口の隙間からつつ…と透明な液が溢れて来た。時折それを舐め取られると、私の口からこぼれるのは恋人を求める熱い吐息。

彼の右手は私の頬を撫で、左手は私の腰の側面を撫であげると、自然と杏寿郎さんの首に両腕を回してしまう。


恋人からの勝負を受けたけど、結果は———杏寿郎さんの鮮やかな一本勝ち。参りました!!

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