• テキストサイズ

炎雷落ちるその日まで / 鬼滅の刃

第24章 霞む記憶が晴れた先に +




「時透は君の事を好いている気がする」

ええ?まさかそんな……

「杏寿郎さん、それはないと思います」
「何故そう思う?」

彼の掌が私の後頭部に回され、髪をとき始めた。


「手合わせしない?って言われたんです。違うんじゃないでしょうか?」

「む……手合わせか?」

はい、と頷いて更に彼をギュッと抱きしめた。


「好意がある場合、どこかに行こうとか……そう言う事を言ってくるんじゃないかと。杏寿郎さんは以前、私に落語に誘われたと思ったでしょう?」

「なるほど!確かにそうだな。あの時は気づかなかったが、俺は君と出かけたかったのだな」

「落語は怖かったけど、杏寿郎さんと初めて出かけれて凄く嬉しかったなあ」

すると、彼が私の頭を撫でてくれる。私、杏寿郎さんに撫でてもらうのも好きだなあ。


「もし万が一、杏寿郎さんが言うような事があったとしてもですよ」
「ああ」

一つ大きく息をはいて私は恋人にこう言った。


「私が好きなのはあなたです。あなた以外の人とお付き合いする気はありません」

「そうか! ありがとう…」

こんなに私の事を好きでいて、大事にしてくれる人。そして以前の恋人である、巧の事も大事にしてくれる人。



もう杏寿郎さん以外の人は考えられない。


「俺は果報者だな」
「ん………」

恋人が優しい口付けをくれた。


/ 1010ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp