第3章 起きて進め
“明朗快活が服を着て歩く”ってこう言うことかな?
私は少し笑ってしまった。不思議だな……さっきまであんなに泣いてたのに。
「む!もうこんな時間か……」
炎柱様は部屋にある壁掛け時計を確認するとスッと立ち上がった。
「すみません。お時間取らせてしまって。でも巧のお話聞けて良かったです。炎柱様。ありがとうございました」
「気にするな。俺も彼との約束が果たせて安心した」
彼は引き戸の方に向かおうとしたけど、一度こちらを振り向いてこう言った。
「煉獄で良いぞ」
「はい!それじゃあ……煉獄さん。お気をつけて」
「うむ!またな!」
炎柱様 ——— 煉獄さんは引き戸を開けると、今度こそ行ってしまった。