第23章 音鳴る屋敷で蟲と戯れる +
「でも、これは最高の験担ぎです。簡単には負けないようにしますね……」
体の中から温かい気持ちがふわっと湧いてくると同時に、気持ちも落ち着いて来た。
「おーい!煉獄!沢渡!時間過ぎてっぞー!早く戻ってこい!」
「む、戦の神がお呼びだな」
「ふふ、はい」
私達は笑い合って、急いで道場に戻る。
「良い顔になってんじゃねぇか」
戦の神が帰ってくるなり、ニヤニヤした顔を見せた。宇髄さんも本当、人の事をよく見ているよね。
再度木刀を持って、しのぶさんに向き合った。
「すごく良い顔になってますね」
そうだった。彼女もよく人の事を観察する人だった。
「最後です。お互い思い切り行きましょう?」
「はい!!」
「3本目、始めっ!!」
—————蟲柱との手合わせの結果は。