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炎雷落ちるその日まで / 鬼滅の刃

第23章 音鳴る屋敷で蟲と戯れる +




—— 30分後、宇髄邸の客間にて。


「いたた……」
私はしのぶさんに突かれた肩に氷嚢を当てていた。

「七瀬さん、本当に筋力が上がりましたね…」
しのぶさんもまた私が突いた肩に氷嚢を当てていた。


「お2人ともお疲れさまでした〜。凄かったですよ!」

「あ、氷嚢持って来て下さったんですね。ありがとうございます、助かります」

「ありがとうございます、須磨さん」



氷嚢を私達に持って来てくれたこの可愛い人は3人いる宇髄さんの奥様の1人。長い黒髪が印象的で、癒される人柄。3人の中では末っ子の位置、と言った所。


結果は…時間内に勝負がつかず、引き分けだった。
お互いに勝ってもないし、負けてもない。でもこれで良かった気もする。


「しのぶさんはやっぱり凄いですよね。私は三本目、突きをかわすだけで精一杯でしたよ」

「ふふっ。私もあなたがいつまたあの強烈な踏み込みをしてくるかどうか気が気じゃありませんでしたよ?」


「流石は煉獄さんの継子ですねぇ。またカナヲとも手合わせしてあげて下さいね」

「ありがとうございます、蟲柱様! 勿論です。カナヲともまた手合わせしたいです」

しのぶさんと私はお互いをたたえあう。


「食事の準備もできたようですよー。お二人が大丈夫でしたら行きませんか? 勿論まだ休まれてても良いですが」

「私はもう大丈夫です!須磨さん、行きましょう」

「すみません、私はもう少し休憩してから向かいます…」


しのぶさんと須磨さん。二人が先に部屋を出ていくと私はふう……と大きく深い息をついた。

痛みは氷嚢のおかげで大分引いてはいる。ただ、何となく少しだけ一人の時間が持ちたくなった為だ。


『柱って本当に強いな。蜜璃さんはまた戦い方が全然違うんだろうな』

恋柱であり姉弟子でもある蜜璃さん。
試合……とまではいかないが、彼女に稽古をつけてもらうよう頼もうか。そんな事を静かに決意する私である。


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