第23章 音鳴る屋敷で蟲と戯れる +
—— 2本目。
私は早速呼吸を整えた。すると、体の温度が上がる。
「炎の呼吸 壱ノ型・改 」
「不知火・連——!」
足と腰を思いきりグッと落として、右足を強く踏み込んだ。
しのぶさんが反応する。
一度自分の動きを止めて「え……」と戸惑った瞬間 —— 彼女の木刀に連撃を入れた。左右に一回ずつ。
筋力が強くないと言うしのぶさんには、筋力が倍に必要な壱ノ型の改を。
そして、こちらの動きを一拍ずらして不知火の連撃を入れる。これが、私の考えた戦術だった。
読み通り、蟲柱の体が傾く——。
今だ!
ここで、瞬時に呼吸を炎から水に切り替え。熱かった体がすうっと温度を下げる。
「水の呼吸・漆ノ型」
「雫波紋突き——」
水の呼吸で最速の突き技だ。これをしのぶさんの左肩に叩き込んだ。彼女が先程の私と同じように、顔を歪めて片膝をつく。
「沢渡、一本!なんだよ、お前、最初からそう言うの出せ!」
宇髄さんが私をみてニヤリと笑いながら、言った。
「ようやく面白くなって来たじゃねーか。じゃあ最後の休憩な」