• テキストサイズ

炎雷落ちるその日まで / 鬼滅の刃

第21章 上弦の月と下弦の月 ✴︎ 〜 茜色の恋、満開 +



「七瀬、悪いがその顔は全く怖くないぞ」

ジロっと上目遣いで睨むものの、くつくつと笑う心底楽しそうな杏寿郎さんにまた翻弄される。
悔しいなあ、本当に。


3つしか歳が離れてないのに、それ以上の差を感じるのは彼がそれだけ精神的に熟してる証拠なのかもしれない。


「あ。杏寿郎さん、唇」
先程の口付けで、彼の唇に私の紅が少し移っていて、目を奪われる。

落ち着いた色の着物と反比例するかのように、恋人の口元が淡く光っていたから。
綺麗だなあと思った。


「ん?ああ……」
そう言って自分の親指で紅を拭う様がまた艶っぽくて、鼓動が大きく跳ねた。


「これで取れたか?」
「……はい」

本当に私にはもったいない恋人だと心から思う。

自信を持って隣に並べるように頑張ろう。大人な彼に早く追いつきたいし、釣り合えるようにならなきゃ。


「急ごう、間に合わなくなる」
改めて差し出された掌に自分の掌を重ねて、私達は目的の場所へと足を進めた。


/ 1010ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp