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炎雷落ちるその日まで / 鬼滅の刃

第20章 ほどけない夜が明けた後は ✳︎✳︎



俺は昨日の夜と同じように懐紙を使い、彼女のお腹を丁寧に拭きとった。そして、恋人をじいっと見つめる。

「……どうしたんですか?」

七瀬がこちらに笑顔を向けてくる。
その愛らしい姿を見た途端、愛しさがグッと溢れて前から彼女を抱きしめた。


「杏寿郎さん……?」
七瀬が俺の背中にそうっと腕を回す。


「君はやはりかわいい」
改めて思う。顔も体も性格も、可愛らしい所ばかりだ。


「……ありがとうございます」
彼女は嬉しそうに言うと目を閉じて俺の背中をそうっと撫でてくれた。
俺も七瀬の背中を優しく撫でると、昨日触れた傷に掌が当たった。


男の俺は傷などいくらあってもかまわないし、気にならない。しかし、女子は普通に生活していれば、こんな傷を体に刻む事はまずない。



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