第20章 ほどけない夜が明けた後は ✳︎✳︎
全て入った事を確認した俺は、下からグッと力を入れ、彼女の奥を一度突く。
「あん……!!」
七瀬から一際大きな声が出た。
俺しか知らない、俺しか聞けない、とても愛らしい音色だと思いたい。
自分だけの為にその心地良い響きをもっと、もっと……伝えてほしい。
だから ———
「……君も動いてくれ」
俺は恋人を上目遣いで見上げながらそう言った。彼女の焦茶の瞳が大きく見開く。
君が俺の目をとても気に入ってくれているのと同じように、七瀬、俺も君の瞳が好きだ。
「はい……」
彼女が俺の両頬を柔らかく包み、口付けをしながら腰を上下に動かす。
上の入口も下の入口も君と繋がるこの感覚。離れたくない。出来ればずっと繋がっていたい。
「あ……もう限界……です…」
七瀬、申し訳ない!
「俺はまだ足りないな……」
彼女の腰をしっかりと掴み、律動を更に更に進めていく。
「くっ……これはいかん……」
はあっと息をはくのと同時に、七瀬の中から男根を抜いた。
そして己の白濁を、じわっと彼女のお腹に一回、二回、と吐き出す。
下に敷いてある布団にもその白い欲がポタリ、ポタリ、と数滴落ちていった。