第20章 ほどけない夜が明けた後は ✳︎✳︎
「だからたくさ……んぅ」
「七瀬……七瀬……大好きだ」
そんなにかわいい事を言うな。たまらないだろう。
せっかちな俺は彼女の言葉を最後まで聞かずに、愛しい君の名前と共に自分の唇を届ける。
絶え間なく口付けを与えながら、その合間に名前を続けて呼ぶ。
更に七瀬の体が温まるのがわかった。
「杏寿郎さん……好きです……大好き」
恋人が自分の名前を呼んで気持ちを伝えてくれる。
なるほど、確かに名前を呼ばれると胸が温かくなるな。
ぴちゃ、と水音がたくさん響く中、自分の掌で七瀬の胸を撫で、蕾を掴み、へそへと滑らせていく。
昨日も思ったが、本当に手触りが良い。何度でも触れたくなる肌だ。